ogochan
前回の続きです。
前回は「今売れるもの」「販売パートナーがいれば商品にできるもの」を挙げましたが、今回は「開発プロジェクト自体が商品」のものです。
これは、「アイディアと技術は出すのでパトロンになって下さい」というものです。
弊社で「アイディア」と呼ぶもの
弊社でアイディアと呼ぶものは、いわゆる「思いつき」よりはもうちょっと進んでいるものです。
「やりたい」と思って調査とかし始めただけではなくて、もうちょっと進んで「試作を始めたもの」くらいの意味です。もちろん完成しているわけでも、完全なロードマップがあるわけでもありません。そこまで行けば製品化もすぐですからね。なので、「調査した」から「試作品ができた」の間くらいだと思って下さい。ここのエントリで「作ってます」的なニュアンスで書いてあるものです。
「調査」もいろいろあって、実現性とか実装に関わるものもあれば、ビジネスモデルとか資金繰りに関するものもあります。この辺に手応えを感じたら次は試作を始めるわけです。面白そうなものであれば、そういったのはガン無視して試作始めたりしますけど。
もちろん試作には時間や工数がかかります。ハードが絡むものは部品代や基板を作成する費用がかかります。これらは全て資金繰りに関わるものなので、「余りもの」でコツコツ作るもの以外は適当なところでサスペンドとなります。全部がやれるだけの馬力があるわけでも、資金があるわけでも、ビジネス直結するかどうか不明なものにかける時間もあまりありませんからね。それは程度の違いがあってもどこの「自社開発」も同じでしょう。もちろん「良さげ」と判断すればそういったこととは別に完成を目指したりしますが、それが出来るものはあまり多くありません。
「余りもの」を積み上げて完成まで持って行くという道もあると思いますが、どうせすぐ売れないものを作っているわけなので、見通しまでつけておいてサスペンドさせておく方が「打数」が稼げます。また、アイディアはあっと言う間に陳腐化するものでもあるので、沢山手がけて手駒を増やした方が良いと考えています。これらを随時ここのエントリにして、興味があるところがあれば先に進めるという方向です。
また、全てのアイディアを「商品」として並べているわけではありません。「これは自力で完成させたいな」と思うものは積極的には営業しません。もちろん関心のあるところがあればお話したいとは思いますが、そこにゴールを設定していません。
プロジェクトとして売る気でやっているもの
このカテゴリには
どのようなプロジェクトであるかはリンク先を見てもらうとして、現状の課題や展望を挙げておきます。
目玉親父(仮称)
視覚障害者を案内するための人工知能エージェントとも言えますし、人間の自動運転とも言える。技術スタックから見てもそういった感じのものです。
これは元々ハードウェア価格を安くしようというのが基本にありますので、ハードウェア開発の費用はそんなにかかると思いません。大規模量産となると大変でしょうが、〜1Kくらいの範囲であればパーツの組み合わせ + ちょっとくらいで行けると考えています。
一番工数のかかるのはやはり開発そのものです。気持ち良く使ってもらうためには、スムーズに操作できてフェイルセーフである必要がありますから、そこに結構かかります。逆に言えば、そこを我慢させて良いPoCのレベルであれば、そこまで工数はかからないでしょう。PoCの次くらいの段階のものを完成させるまでに3000万程度を見積っています。量産がどうこうという話は、ここからスタートでしょう。
このプロジェクトには副産物があって、
制御用のArduino互換ボードも成果物として考えています。誘導機を制御する部分に使うものです。これの開発もセットです。特殊なもの(PLC用)なので販路開拓の問題はあると思いますが。
VR徘徊
リモコンのできるロボット雲台です。自分の代わりにどこかに行ってもらって見るというものです。通信教育のスクーリングに身代りで出席してもらうとかにも使えそうですね(そういった相談を受けたことがあります)。
これは何度か書いているように、PoCレベルのものはだいたい動いていて、もうちょっとしたら実際に運用してみようと思っています。
PoCはとても雑なハードウェアなので(台車がルンバですから)、この辺をちゃんとしたものにするための開発が必要になります。この「ちゃんとしたもの」についての要求は無限に出て来ると思うので、これはずっと開発して行く必要と価値があると思っています。
こういった「遠隔地の視覚をサポートするデバイス」についての要求は、いろんなシーンでいろんな形式のものが要求されていますから、市場性についてはアイディア次第と言っても良いと思います。こういった用途だと最近は「ドローンで」という話が多いですが、台車形式のものもドローンにないメリットが多数あります。「ドローンで決まり!」と言うよりは、「いろんな方法があるね」というのが期待されるでしょう。
台車の制御だけではなくて、視覚の伝送にも新規性のある開発があると思います。
これ単体でも面白い開発プロジェクトだろうと思います。
オープンソースローコードノーコードのソリューション
オープンソースなローコードノーコードのスタックを適用するソリューションです。
オープンソースなローコードノーコードのスタックについてはここで度々まとめエントリを上げていますが、どれも人気エントリです。つまり、それだけ注目度は高いようです。
問題は、種類が多いこと、それぞれ一長一短があったり、将来性が感じられるものは現段階でイマイチだったりで、「これ」と言って強く推したくなるものがまだありません。NocoBaseが結構いいなと思っているのですが、まだまだな部分もあります。なかなか難しいところです。
こちらの手間としては、良さそうなものを見つけて体制を作るということで特に難しいことではないのですが、「これ」と言うものがないことには推しようがありません。実はここが一番のネックです。
とは言えちゃんとウォッチしているものなので、「総合的にどうですか?」という質問をお受けすることは出来ますし、「これを使いたいです」と指名があればそれ用の作業は作れるのですが、弊社の商品としてこれということが難しい状態です。また、現状だと導入サポート費用とかもらってしまうと「要するにKintone使えば良いのでは?」という話に落ちついたりしそうなので、これもまた難しいところです。
なので、オープンソースに強い拘りがあって営業力のあるパートナーさん(往時のテンアートニのような)が現れる必要があります。テンアートニの元会長、弊社株主の一人だったりするんですが、なんかもう御隠居って感じなんですよね。
プロジェクトを売るつもりはないけどパートナーが欲しいもの
これは弊社が独自にやっているものです。これ自体を販売するつもりはありませんが、一緒に作れたりサポートして下さるところがあると嬉しいなと思うものです。
元々面白そうなものを勝手に作っていますが、その中にはある種の「公共性」を考えて作っているもの、いずれ商品やサービスにして行きたいなと思っているものがあります。ここではそういったものを挙げます。
CultureSquare
これは去年の夏くらいに作り始めたサイトです。
ここはビジネスそのものと言うよりは、そういった土壌の涵養を目指したものです。つまり、これ自体の収益は多少のアフィリエイト収入がある程度です。将来はここのサイトの記事の関連商品とか企画開発販売とか考えていますが、今のところは情報の提供が主ですし、これからもそうだと思います。サイトそのものからの収益はサイトが維持できる程度で良いと。
とは言え、せっかく作ったサイトですしこれからもいろんな情報を出して行こうと考えていますから、ずっと育てて行こうと思っています。そのためには、一緒に記事を書いて下さる人とか出て来ると楽しいなと思います。
もちろんそういった「志」に共感して下さる方がパトロンになって下されば、それはそれで嬉しいことです。とは言え、明確なゴール設定等があるわけではないので、クラウドファンディングには難しいでしょう。
今、サイト構成をいじっているところなので、それが出来れば後述の「Freshmeat再起動計画」の一部も公開できると思います。また、Arduino関係文書の翻訳とかも公開を待っています(主なものは書いてしまいました)。他にもいろんな技術文書を公開して行きます。
Freshmeat再起動計画
これはこの前書いた後に思いついてコードを書き始めたものです。
手元では結構いい感じに動いていて満足しています。新しいソフトウェアの情報がどんどん流れて来るのは楽しいですね。今はあちこちの新着情報とかに対するクローラを作ってはDBに追加して行くというようなことをしています。そして、何度もDBを作ったり壊したりして、最適化をしたり。
ちなみに、今はSourceForgeのクローラを動かしています。サイトに迷惑をかけないように怒られないようにとチマチマ動かして、かれこれ3日経ちました(4日経ってやっと完了しました)。ここには雑に20万くらいのプロジェクトが置かれていて、2020年以降に更新があるプロジェクトは2万くらいです。「20万プロジェクト」と言うと怯みますが、案の定生きているプロジェクトはそんなに多くはありません。
順番から言えば次はGitHubのクローラを書くことになると思うのですが(ほぼ出来ました)ここはさらに巨大なリポジトリ群ですから、単純に「更新されたものを落として来る」という戦略は使えないなと思ってます。となると、「キュレータ」が必要になりますね。いずれAIがやってくれるのかも知れませんが、当面は人力でしょう。
そういったことをやっているうちに、「新着をだら見する」というのはいろんなものに応用可能だなということにも気がつきます。古くはRSSやアンテナを使って、最近だとTwitterがその役割を持っています。そろそろ「その次」が現れても良いなとも思います。そして、いい感じに更新情報が見られるのであれば、何もSNSという形式がなくても良いなとか。そういったことなんかも含めて、いろいろ思案しているところです。
前述のCultureSquareのコンテンツとして公開する他に、この「更新情報をだら見する」という機能を切り出してサービスしたいなという気持ちがあります。とは言え、運用の方針やカバー範囲、あるいはビジネスモデルについての考察が全くされていません。ベタベタと広告を貼るのはあまり気が進まないので、ビジネスモデルをどう構築するかは難しいところです。当面はビジネスモデルとか言わないで済む範囲でチマチマと運用して行くのでしょう。
おわりに
今回は目先に製品がないものについての「営業」エントリにしました。他にも
辺りのエントリを見ていただければ、弊社の考え方がわかると思います。
お問い合わせお待ちしております。