mayumi
CasaOSのAppStoreにあるアプリをいくつか試しています。「SiYuan」はCasaOSをレビューし始めたころから使い始めて、私の中の定番アプリの一つとなったものです。
SiYuan
Refactor your thinking
GitHub | 公式サイト | ライセンス AGPL-3.0 license
SiYuanはセルフホストできるWYSIWYGのノートアプリです。個人的にはブログの下書きや、情報を集約するのに便利に使っています。
CasaOSのAppStoreからインストールすると、「SiYuan Note」なのですが、公式サイトやGitHubでは「Siyuan」と表記されています。どちらが正しいのかはわかりませんが、ここでは「SiYuan」と呼ぶことにします。
CasaOSの詳細については以下をご覧ください。
RaspberryPiにパーソナルクラウドOS「CasaOS」を導入する
インストール
今回はCasaOSからインストールしましたが、WindowsやMac、Linuxのアプリや、AndroidやiOS版のアプリもあります。
CasaOSの場合は、AppStoreの「SiYuan Note」をインストールするだけです。
特長
- ブロック単位の編集
- フラッシュカード、データベース、AI
- 双方向リンク
- リスト概要
- プライバシーと同期
参考:SiYuan 公式サイト
ブロック単位の編集
ブロック単位でフォーマットを決めて内容を書いていくスタイルです。Notionも同じですね。最近のWYSIWGツールもこういったものが増えてきている印象があります。
利用可能なフォーマット
タイトル(H1~H6)やリスト、リンク、画像・音声・動画の挿入、コードブロック、HTML、引用、テーブル等通常使いそうなものに加えて、グラフツールが使えます。また、最新バージョンでは、データベースも使えるようになったようです。
グラフツール
手軽にノートにグラフや図が挿入できます。公式サイトではあまり触れられていないのですが、テキストベースで図が挿入できるのは結構便利だと思うので、紹介しておきたいと思います。
それぞれのグラフツールの具体的な説明がなくて最初は戸惑いましたが、調べてみるとオープンソースのグラフ描画ライブラリを組み込んでいるようでした。詳細はそれぞれの公式サイトを見ながら使えば良さそうです。
Mermaid (公式サイト)
ダイアグラムとチャートが作成できるブロックです。作成できるものには、マインドマップやガントチャート、フロチャートなどあります。下の図では、テキストで定義したデータをもとにガントチャートを生成しています。
Mind map
マインドマップが描画できるブロックです。これは、元となるプロジェクトが見けられなかったのですが、最初に開くダイアログの例を参考にするだけで十分に使えます。
Graphviz (公式サイト)
グラフが描画できるブロックです。下の図では、テキストで状態遷移図を生成しています。
FlowChart (公式サイト)
シンプルなフローチャートを描画できるブロックです。
PlantUML (公式サイト)
UMLが描画できるブロックです。
Chart - Apache ECharts ( 公式サイト )
折れ線グラフや棒グラフを描画できるブロックです。EChartsのexampleページのoptionの内容が参考になります。
ABC - Staff ( 公式サイト )
楽譜が描画できるブロックです。テキストベースで楽譜が生成される面白いツールなのですが、使い方がいまいちわからなかったです。プログラムはそれほど大きいものではないので使いたくなった方は調べながら使ってみると良いかもしれません。
フラッシュカード、データベース、AI
フラッシュカード
ブロックをフラッシュカードとして登録できます。資格や外国語の勉強などで役立つかもしれません。
登録したいブロックを選択して、「Quick make card」をクリック。
ドキュメントのメニューから「Flashcard - Spaced Repetition」をクリック。
登録したカードが表示されます。
データベース
手軽に作成できるデータベースです。定義できるプロパティには「リレーション」や「ロールアップ」もあります。ノート系のアプリではよく提供されている重要な機能ですね。
AI連携
OpenAIのAPIを設定することで、ブロック内でチャットしたり、選択したブロックの翻訳や要約、続きを生成、ブレインストーミング、文法やタイプミスの修正等の機能が使えるようになります。
ブロック内でチャット
AI Chatブロックを選択します。
内容を書いて、「Confirm」をクリック。
しばらくすると、結果が返ってきます。
続きを書く
書きかけの文章の続きを生成します。
ブロックを右クリックして「Artificial Intelligence - Continue writing」をクリックします。
しばらくすると、続きが足されます。
双方向リンク
ブロックレベルでノートを超えてリンクすることができます。同じ内容があちこちに散乱しないで済みますし、関連情報が引きやすいのは便利ですね。リンクしたブロックはグラフとして可視化できます。思考の整理をするときにも良いようです。
リストアウトライン
タイトル(H1~H6)をつけると、アウトラインが自動で作られます。左のアウトラインでは、タイトルをクリックするとその章にジャンプできたり、エディタ内でもタイトルごとに内容を折りたたんで見やすくすることもできます。一つのノートが大きくなってくると重宝しそうです。
プライバシーと同期
最初に書いたようにクラウドやネットワークがなくても動きます。有償のクラウドサービスもあり、オフラインで動く機能に加え、バックアップ等の機能を備えているようです。
ノートの共有
ノートの共有は不可能ではないのですが、よく期待されるような便利な方法では提供されていません。
使いやすいので社内情報共有ツールのような使い方を検討していたのですが、調べたところSiYuanは現在は主に個人用ツールのようです。("Are there plans to support SiYuan for collaborations in teams?" )そのため、共有機能や共同編集のような機能はありません。サーバーとしてインストールすれば、ローカルエリア内のメンバーでは、閲覧・編集も可能ですが、ローカルのユーザーを管理していないので、各ノートの作成者や編集者が誰かといったことはわかりません。
「現在は主に個人用ツール」としつつも、ロードマップでは「リアルタイムコラボレーション」も見据えているらしく、今後どうなるのか気になるところです。
まとめ
しばらく利用していますが、まだ知らない機能があるくらい機能が豊富です。今回はまとめるために調べながら使ったところもありましたが、そこまで知らなくても便利に使えるノートです。機能豊富でも複雑なわけではないので、お気に入りのツールです。共有機能があまりないところは不便に感じていますが、開発は活発なので今後に期待したいと思います。