mayumi
Jar-Garden(屋内で植物を楽しむためLEDライト、インテリアグッズです)の技術的解説は過去にogochanが書いてきました。
今回のテーマは外観についてです。
技術面の解説はこちら(↓)
観賞用植物育成LEDについて(公知化情報)
- インテリアとして飾るのにちょうどよいぐらいで植物の育成をキープする方法
環境温度をセンサーの設置なしに計測する方法(公知化情報)
- 容器内の温度を外観を損なることなく計測する方法
外観の素材
一息つける空間にあったものを
嗜好品を買う基準はさまざまですが、個人的には
1.ほしいかどうか
2.買えるかどうか
3.置けるかどうか
ということを主に考えることが多いです。
その中でも、特に都内で暮らし始めてからは3.の「置けるかどうか」というポイントが重くなりました。
置けることがわかってからも、それは、この部屋の限られたスペースを減らしてまでほしいものか?という問いが襲ってきて、購入に至らないということは少なくはありません。
しかし、そのような余裕の少ない場所こそ、息抜きのできる空間が必要なのではないでしょうか。
Jar-Gardenは、省スペースで植物を楽しめるLEDライトです。
(サイズ感はこんな感じ↓)
リラックスできる空間を提供するため、外観のメインとなる素材には「木材」を選びました。
「木材」は植物との調和が取れ、容器内の植物をより美しく魅せることができます。
木材の種類
どの種類にしようか?
木材もいろいろあります。
普段関わりがないと、木材の種類なんてほとんどわからないかもしれません。
様々な木材を加工してみると、木の種類ごとの特性をよく感じることができます。
どの種類も試作品として少量しか扱ったことがないですが、その違いは私のような木工素人でもわかるぐらいです。(過去の履歴をみると、試した木材は20種類ほどのようです。)
硬い木、やわらかい木、木くずが粗い木、木くずが細かい木、軽い木、重い木。それから、それぞれの木の香り。
見ためからは、色の特徴(黒っぽい、白っぽい、ピンクっぽい)、木目が濃い、控えめ、木目が大きい、細かい等があります。
木材の違いがわからない方でも、実際に様々な木材を並べてみるとその違いを楽しめると思います。
叶うのであれば、将来的にカスタムで木材の選択ができて、選ばれた種類で製作を受け付けてみたいですね。
やはり自身で選んだものというのは愛着がわきますし、大事にしたくなるのではないかと思います。
また、贈り物としても素敵ですね。
結局どれも良い味があって、捨てがたいのでこの種にしようというのは決めていません。しばらく使ってみるとこのような用途に不適応だとうこともあるでしょうし、今は無理に決めていません。
形状
機能性を維持しつつ無駄をそぎ落とす
当初の設計は以下のような形状で、周りにある突起は組み合わせた時にJar-Garden内の空気の入れ替えの役割を果たしていました。
試作品をいくつか作る過程で、この突起があることにより不良率を上げてしまうことが判明したため、思い切って突起をなくしたのが改良版のJar-Gardenの形状です。
改良版の方が空気口も大きく循環がよくなったのではないかと推察するのですが、比較検証まではしていません。しかし、課題であった不良率は圧倒的に下がりました。
この形状で1年以上稼働させ続けていますが、今のところ特に不都合は起きていないので、改良版の形状で問題がないと判断しました。
結果的に、不良率を下げ、機能性を損なわずにビジュアルの面でもすっきりとさせることができました。
操作UI
物理ボタンの排除
Jar-Gardenにはボタンがありません。
ボタンの機構を作るコストを削減する目的もありますが、それよりも外観の木の素材を大事にしたかったからボタンは作りませんでした。
設定は、弊社で開発したコントロール専用アプリから行えるようになっています。
厳密に言えば、アプリですべての設定しているわけではなく、自社のIoTクラウドサービスに設定を保存し、Jar-Gardenがその設定を読み込むという作りになっています。
なので、実はパソコンからも設定可能です。
ということで、ただのおしゃれなシンプルLEDに見せかけて、
・4色LED(RGB+W)
・植物LEDの明るさコントロール
・タイマーによる制御機能
が搭載された、見ために反して高機能でかっこいい一品となりました。
湿気対策
長く使えるものに
Jar-Gardenは置物ではありません。機能を持った実用品です。
水槽やコケリウムといった用途のライトとして、木材を材料に採用するにあたっての一番の懸念は「湿気」です。
無策ではカビが生えたり、木が湿気で曲がったりして、見た目に影響がでてしまうばかりか、内部のLEDの故障につながる等、悪いことが起きるのが明らかです。
そのため、一番湿気の影響を受けであろうと考えられる場所には木材が触れないように設計してあります。
また、容器内を密閉すると結露してしてしまうのでゴム足を取り付けて、少し浮かすことで対策してあります。
その成果もあって、容器内が湿気でこもっているという状態を見たことがありません。1年稼働させてみましたが、裏側に少し汚れたような跡がのこったかなという程度で済んでいます。この汚れは軽く拭けばすぐ落ちるものなので、お手入れも簡単です。
おわり
Jar-GardenはLEDやセンサーだけでなく、本体の構造や材料などもこだわりながら作りました。
できあがってしまうと、最初からこのようなものだったかのような錯覚に陥りますが、この形になるまで様々な失敗を重ねてきました。
(過去製作してきたもの、旧バージョンのものや失敗して没になったもの等)
試作品をたくさん作って、ようやくここまで仕上げることができましたが、最新のバージョンでも実際に使っていると、改良したくなる箇所がいくつもあります。
(詳細は「Jar-Gardenその後」をご覧ください。)
商品として出すころには、さらに改良を重ねて、今よりずっと洗練されたものが提供できるようにしたいと思います。