ハードウェアからサーバ・アプリまでワンストップで開発

「目玉親父」売ります

プロジェクトのOEM

以前、「プロジェクト目玉親父」というのをやるよという話を書きました。

プロジェクト 目玉親父

ここでボチボチと進捗を書いているように、本当にボチボチと進捗しています。

ただ、あまりにボチボチとしているので、なんかもったいない気がして来ました。目標とするプロダクトは社会的にも意義のあるものだと思うのですが、弊社の体力のなさで形に出来ないのは、忸怩たるものがあります。

他方、弊社としては別にこれで弊社の名を売るとか独占権とかに興味があるわけではないですし、量産や販売になれば手を離さざるをえなくなるのは明白なので、どこか志しのある企業・法人(以下「組織」と表現します)のプロジェクトとしてやれないかなと思うようになりました。

プロジェクトの意義

これについては、前のエントリで書いています。

プロジェクト 目玉親父

市場性はそれなりにあるものだと考えています。国内の全盲者だけでも、少なく見積って20万人。潜在的には50万人。料理法によっては晴眼者の需要も見込めます。価格もそんなに高いものではないので、補助金なしで購入可能です。

全盲者の需要を考える時に、盲導犬や介助者の絶対数が少な過ぎるという問題もさることながら、利用者のプライバシーを尊重することができるという点でも、意義があります。つまり

自分の意思で自由に出掛けられる

という点において、介助者を依頼することと比較すれば段違いのユーティリティです。

また、このシステムは大袈裟なハードウェアを要求しません。「ロボット盲導犬」のような高コスト低ユーティリティなものではなく、ごく小型の誘導装置を身につけるだけですから、機器コストも低くできますし携帯も簡単です。その点でも普及の可能性は大です。

また、ウェアラブル機器の用途をより拡大することにもなるので、ある意味市場の突破口となりうるでしょう... とは言え、この方向については大風呂敷過ぎる話になるので、やめておきます。ただ、単なる視覚障害者向けデバイス以上の可能性があるということを理解して下されば結構です。

必要とするもの

今必要としているものは、1も2もなく開発資金です。

現状でも、「ボチボチ」という感じで物事は進めていますが、あまりにもボチボチ過ぎます。日々の資金繰りそのものに忙殺されたり、他の金になりそうな商品の開発や企画をしたりするものですから、全く進みません。

他方、現段階では試作のさらに前なので、外部に出す費用もあまりありませんしスタッフが大勢必要ということもありません。ただし、進捗がある程度あれば、この辺も必要になって来るはずです。ここについては「いずれ」ということになると思います。

そういったわけで、現段階で必要なのは「とりあえず形になった試作品」を作るための資金です。具体的には前のエントリで書いた3000万程度があれば1年程度は活動できるだろうと思います。また、開発期間は1年を目安として、そこで1区切りにしようと思います。つまり、250万/月を1年間ということです。1年が区切りではありますが、「もうちょっと」という状態であれば、1年以降完成までは無償で構いません。後述するように開発の成功は保証できませんが、それでも「とりあえず形になった試作品」を作るのが願いです。

開発が成功して製品化に移行するとなると、また別のタスクが発生すると思いますが、そちらについての資金や工程については、別途ご相談ということにしたいと思います。この段階になれば、何も弊社でなくても出来ると思いますし、後述のように必要な情報については提供する予定です。ここについて何が何でも弊社がやる... というのは、そもそも当初の意図と合致しません。

提供するもの

もちろんタダでいただくわけではないので、提供するものを具体的に書いておきます。

一番は資金提供して下さった組織が自社製品として販売する権利です。つまり、弊社は資金提供して下さった組織の代わりに開発しているという体制で行うということです。ですから、「目玉親父」は弊社が企画した機器ですが、請負契約(厳密には準委託契約)として開発するということです。また「作った」として成果を発表する権利もセットです。

また当初作るものは「試作品」ですから、そこから先(製品化)についてはさらに開発が必要となります。そこから先については弊社がやるか別の会社がやるかは別途の話になりますが、その時に必要な知財については弊社から提供するものに含まれます。具体的には

  • 試作品の設計に関するもの
  • このために開発したソフトウェア等
  • 実験等で取得したデータ等
  • いわゆるアイディアの類

が提供物となります。また、プロジェクト途中の進捗報告も弊社ペースではありますが随時行います。

提供できないもの

基本的には開発したものは全て資金提供して下さった組織のものとしますが、以下については御提供できません。

  • 部材として開発した汎用性のある部品
    Cerebelluino、ボードコンピュータ、サーボコントローラ等
  • 人的資源
  • 完成の約束

汎用部品については単体の商品となる可能性があります。「なんだそれは」という気持ちになられるかも知れませんが、製品化する時には汎用部品ではなくて専用設計のものになると思われるので、「目玉親父(製品)」としてはあまり関係なくなるでしょう。それでもなお「汎用部品として作っても成果物だ」と主張されるのであれば、「マインドが異なるのでご一緒できませんね」ということになります。汎用部品については、基本的にオープンソースライセンスで公開する予定です。

人的資源については、単に人手がないからです。現実問題として、この件について人的資源の提供が必要になることはないと思いますので、問題ではないと思います。たとえば「どこかに提出するための資料を作成して欲しい」的なものであれば、役務としてご相談戴ければと思います。

また大変残念ですが、完成した機器の提供についてのお約束は出来ません。なぜなら、これは「試作(準委託契約)」だからです。

とは言え、何の成果も納品もありませんというわけではなくて、

  • ある程度は動く状態のハードウェア及びソフトウェア
  • 取得された各種データ
  • 各種ドキュメント

についての納品はお約束します。つまり、完全なものを作るという約束ができないというだけであって、プロジェクトとしての成果物は作りますということです。これを元に判断して

  • さらに資金提供をして開発を続ける
  • 無理と諦める
  • 成果物を元に他社で開発を続ける

という選択ができます。いずれにするかは、貴組織の裁量です。諦められた場合は、弊社の裁量で「ライフワークプロジェクト」に戻すか、同様の資金募集をするかになりますが、開発を継続した場合であれば、クレジットとして入れさせてもらえばと思います。

何にせよこれから作るものは世の中にないものですから、完成できないことがリスクとして存在してしまうのは不可避です。そして、失敗のしかたを考えると「動くものは出来たけど期待通りに機能してくれない」ということであり、それは単に弊社の技術の問題に留まらないことなのではないかと思います。もしそうでなかったら、とっくに世の中に存在してるはずですからね。

逆に言えば、「こういったものを作りたい」という希望がある組織でチームを作って取り組むとなると、ネガティブな結論が出た時にチームの処遇の問題が投じた資金以上のリスクになるでしょう。集めた人達を簡単にクビにはできないわけですから。その部分をアウトソースするのだという意味でもあります。どういった形であれ、終わってしまえば追加の費用は不要になります。

背景

なぜこのような考えにいたったかと言えば、まさに冒頭に書いたとおりです。

弊社には量産する力も販売する力もありません。ですから、仮にこれの試作が成功したところで、商品としては弊社が握っている限りはあまり陽の目を見ることがないように感じられます。とは言え、作るプロダクトは社会的に意義があるものですから、広く世に出して行きたいという気持ちがあります。そうなると、弊社が弊社がと言って頑張るよりは、素直に最初から量産する力や販売する力のあるところと組んでしまった方が、お互いに楽だし得になると考えました。作るだけであれば「ライフワークプロジェクト」で良いのですが、それでは必要としている人に届きません。

他方弊社としては、このようなものが作れることと、その過程で得るものに興味があります。簡単に言えば「程々の資金があって開発に専念できればそれで十分」なのです。「大儲けの野望」の類を「目玉親父」で昇華しようと思っていません。果実は資金提供した組織が得れば良いのです。ライセンス料の類も不要です(汎用部品の権利留保はその代わりです)。

そう考えると、早めに「パートナー」を探した方が色々都合良いわけです。安心して開発出来ますから。

このような事情なので、契約するのは1組織のみです。仮に複数組織からのお申し出があっても、最初に条件の合致した1組織とのみ契約します。後から余分なお金を積まれても、信義則に反することはしませんし、複数組織から申し出があってもオークション的なことは行いません。あくまでも250万円/月を1年間で結構です。

このようなことに手を出したい組織からのお問い合わせお待ちしております。

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