ogochan
弊社の会計年度は3月末で終わるので、5月は決算作業をやっていました。
いろいろ税理士にダメ出しを食らいながらも、無事決算が出来ました。ディスククラッシュで決算処理ができなかった前々期も片付きました。15期が終わったんですって。
そのかたわら会計システムの方をいろいろいじっていて、いろいろ出来ました。大きな変化は、
- Riot.jsで作っていた部分を全てSvelteに換えた
- 電子証票(新電帳法対応)の機能が完成した
というところでしょうか。
Svelteのことはまたいずれ書くとして、今回は新電帳法対応の部分の紹介をします。
↑が証票の一覧です。種別としては、
- 受取請求書
- 受取領収書
- 差出請求書
- 差出領収書
- その他
があります。多分、税務署的に興味があるのは受取の証票だと思うのですが、いろいろ考えて差出の方も入れることにしました。
証票の入力
入力する時はこんなポップアップで
メタ情報にあたる
- 種別
- 発生日
- 支払日
- 相手先
- 金額、税等
を入力し、ファイルをアップロードします。ファイルのアップロードはDnDです。
会計との連動
これを会計に反映させるには2つ方法があって、
- ここで直接伝票入力
- 伝票入力から証票を選んで結合
が出来ます。つまり、会計システムの方の流れと、証票管理からの流れの2方向があるわけです。
最初のスクショで日付けが赤のものと青のものとありますが、赤は伝票が結合されてないもの、青は伝票が結合されているものです。
この辺は会計の運用に依ると思うのですが、請求書が届いた日を「発生日」とし、実際に支払いした日を「支払日」とした時、発生日に買掛が発生して支払日に買掛が消し込まれるという運用をしていれば、両方が青くなれば良いわけです。うちは歴史的な事情から、原則的に「請求されたらなるべくすぐ払う」ことにしていて、特別な時以外(期をまたぐ支払いになるとか)は支払日だけ起票しています。なので、支払日が青くなれば処理完了ということになります。反対に差出請求書の場合は、発生日に売掛を計上し、入金されたら消し込みになります。
青のリンクをクリックすれば結合された伝票が、赤のリンクをクリックすれば伝票の新規作成になります。
伝票を開くとこんな感じです。
「証票」というボタンを押すと、伝票の日付けと同じ発生日または支払日の証票が表示されます。
伝票の明細に証票をDnDすると、明細に金額と取引先名が入り明細に証票が連結されているという意味のボタンが表示されます。このボタンを押すと、連結が切れます。
ファイルを連結しておくと、伝票の明細を使った表示(仕訳日記帳とか元帳とか)の時にファイルがあるという意味のアイコンを表示します。
このアイコンをクリックすると、いつでも証票が表示できます。
証票の検索
証票の検索は、証票管理の画面で条件を入力します。
- 種別
- 相手先
- 金額(レンジ指定)
で検索が可能です。日付けの検索も要件にありますが、それは月毎の表示で済ませています。
ということで、とりあえず新電帳法に対応した機能をフルセットで用意することが出来ました。
要件の中に改竄の検知や防止というのがありますが、これは特別な対処はしていなくて、
- 画像データはDBに格納する(こっそりファイルだけ変更とか出来ない)
- 画像データはメタ情報にリンクを持つ
- 画像データは追加と削除のみ機能として持つ
と言う範囲で強弁しようと思ってます。一応、この他に各テーブルには作業者についての項目を持てば、「誰が処理したか」という情報があることになるので、それで良いかなと。ここはオンプレでやる限り、「やろうと思えば何でもできる」ことなので、あまり頑張っても実効性に乏しいので「やってますよ」と言える程度の機能があれば良いだろうという判断です。
将来構想
「相手先の入力」はあらかじめ相手先を登録しておいて選択します。せっかく取引先を登録することでもあるので、そのうちこの辺はCRMとして強化して行くつもりでいます。
ということで、決算も通過したことでもあるので、コードを適当に整理したら公開の準備を始めます。
それが済んだら、「給与計算」とか「請求書発行」あたりも手をつけて、
オープンソースの零細企業向け総合バックオフィスシステム
という方向で育てて行きたいと思ってます。と言うか、今あるバックオフィス業務は全部自分の書いたシステムでやりたいのです。便利ですから。
ロードマップ的なものを書いておくと、
- 会計システム(完成)
- 新電帳法対応(完成)
- 公開(近日中)
- 見積書、請求書発行(今年度中)
- 給与計算、源泉徴収(今年度中)
以下は「そのうち」です。
- 経費精算
- 在庫管理(商品、備品、資材)
- 顧客管理(いくつかの機能は今年度中)
- 部門管理
あたりが目下の予定です。
この辺が揃えば、「新規開業」の会社は「これ1つ」でバックオフィスが完成するという感じに持って行けるだろうと。
需要があれば「会計事務所連携」を可能にしたいとも思っています。それが出来れば某Oのようなこともスコープに入って来るかなとも思います。構想としてはあるので、「金出したい」という人が出れば対応したいです。協業とかも考えます。