PLC(2) - PLCに挑む理由

PLCとの出会いは、ちょっとしたショックでした。

そのショックの中でいろいろ考えていると、「もしかして、これ工業用以外にも結構需要あるんじゃないの?」という考えに至りました。

どんなきっかけかよくわかりませんが、近頃はまだ「電子工作」が一部で流行るようになりました。「よくわかりませんが」と言いつつも、こんなところじゃないかと思うのが、

  • PCとか複雑過ぎて「自作」は無理
    マザーにケーブル挿すことが「自作」って言うぅ?
  • 目に見えて動くものは楽しい
    ディスプレイに「Hello」と出るより、LEDがチカチカする方が動かしてる感ある
  • ハードウェアもとっつきやすくなって来た
    ラズパイやArduinoやブレッドボードのお陰で、半田づけが出来なくても何とななって来た
  • IoTやらんと時代に遅れる
    世間は「IoTの時代」とゆー煽りが

あたりでしょうか。まぁ、それぞれいろいろ複合してると思います。

ところが、いざ「電子工作」に手を出してみると、いろいろハードルあると思います。幸いラズパイはLinuxの枠組みの中でいろいろ出来ますから、「LEDチカチカ」くらいまではそんなに難しくはないのですが、「その次」となると何をしたら良いのか悩んでしまいます。これがArduinoだと、いわゆるITの世界と違うことが山盛りあって、入門以前にづまづくこともあると思います。何しろ「マイコンを動かす」ことが目的なので、それでどう応用(アプリケーション)につなげるか、ピンと来ないわけです。

逆に「おもちゃを電子制御したい」という応用側から出発した人にしてみると、よくわからないマイコンでプログラムを書かなければならないとか、電気的インターフェイスをどう作るかといった、「おもちゃ」そのものからかなり遠いところで格闘することになります。これはこれでかなりハードル高いことです。

結局のところ、「マイコンを動かす」ことが目的だった人はうまく「応用」が作れず、「応用」から入って来た人にとっては、「マイコンを動かす」ことが出来ないという悩みがあるわけです。

ところで、元々PLCは

これらのギャップをうまく埋めるための機器

として作られたものです。

PLCのプログラムはビジュアルプログラミングです。慣れてしまえば直観的ですし、「うまく動かす」ということには、あまりエネルギーを割かないで済むように出来ています。また、PLCのインターフェイスは一言で言えばスイッチですし、スイッチでない機器も電気的なインターフェイスは標準化されているため、「つなげる」ということにエネルギーを割く必要は(ほぼ)ありません。前回述べたように、

やりたいことに集中してシステム構築出来る

ようになっています。ですから、PLCをうまく使えるようになれば、いわゆる電子制御の類はとても簡単になります。

ところが、市販のPLCは、

こんな感じの随分とごっつい機械です(謎の輸送機の零号機で使っています)。この写真だとサイズがちょっとわからないと思いますが、右下にあるフラットケーブルのコネクタは、その辺に落ちているフラットケーブルと同じピンピッチです。結構なサイズです。

また、電源電圧が24Vだったり(これがPLCの標準)とか、いろいろごついものです。なので、「ちょっとしたおもちゃの制御」に使うのには、無理があります。

そこで考えたのは、

  • 拡張性を持たせつつ、入出力を減らす
  • 電源電圧はせいぜい12Vくらいにする
  • 工業用として頑張っている部分を省略する

ということにして、フリスクケースくらいのサイズにするということです。これなら、ちょっとした電子制御にも手軽に使えます。最小構成なら安く基板が製造出来るかも知れません。その代わり、

  • ネットとの接続性を持たせる

ようにして、IoTを活用出来るようにすれば、拡張性を持たせることも出来る上に、「おもちゃ」としても楽しいでしょう。

ついでにプログラム環境も、IEC-61131-3に対応しつつよりとっつきやすいものにすれば、

toyでないビジュアルプログラミング

が出来るようになります。

このような機器があれば、たとえば

  • 「夏休み子ども工作教室」みたいなノリの場でも使えるのではないか
    ちょっとした配線と簡単なプログラムだけで「スマホでラジコン」とか作れます
  • PLCの入門として使えるのではないか
    IEC-61131-3に対応しておけば良いわけです
  • 「本物のIoT制御」をお見せするツールになるのではないか
    インターネット経由の制御とか

といったことが期待出来るのではないかと考えました。

特に弊社としては、最後の「本物のIoT制御をお見せするツール」というところに意義があります。PLCのような「工業用」の世界では、弊社のように実績に乏しいものは相手にされませんので、

まずはおもちゃ

というのは、悪くないアプローチだと考えています。

そんなわけで、弊社の他の業務との関連性も併せて、「PLCの再構築」は面白いテーマだと考えて取り組み始めました。

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