ハードウェアからサーバ・アプリまでワンストップで開発

「VR徘徊」

リモコンのできるロボット雲台

昨日、「作りたいもの」のリストを書きました。

ここで書いたプロジェクトの他にやりたいなと思っているもののリストだったのですが、ここにも書いてないしリストにもない、それでいて長いこと検討を続けているものがあります。それが表題にある「VR徘徊」です。

技術的なハードルが高いので、「やっています」と言えるものではありません。技術の進歩とかを見ながら、どう実現するかを含めて検討している。そういったものです。

個人ブログの方に書いてはいたのですが、こちらにも書いておこうかと。

背景

元々は親父のために考えたものです。

まだ私の親父が生きていた頃、「親父に近所を安全に歩かせてやりたいなぁ」と思ったものでした。私の父は亡くなる10年くらい前に脳卒中でマトモに歩けなくなってしまって、散歩もかなり怪しい感じだったのです。

私は別に親孝行な倅でもないし、葬式の後にお坊さんに「何か思い出話でも」と振られた時に「まさかせいせいしたとか言えませんから」とか兄弟で言ってしまった... くらい、父親とは距離を置きたかったくらい(それでいて見える程不仲でもない)なのですが、その様子を見ている時に、

自分の代わりに外を歩いて、視覚をストリーミングして、HMDで見る

ことは出来ないかと考えました。つまり、VRで「徘徊」するというメカが出来ないかと言うことを考えました。ちなみに親父は亡くなる半年くらい前までWordで薄い本を執筆するくらいだったので、いわゆるボケ老人ではありませんでした。

実現のアイディア

実現するために必要なものは、「目の高さ」くらいにカメラを置いてストリーミングし、遠隔で操作できるということです。そうすれば、自分の代わりに歩いて映像を見るためのカメラが実現できるわけです。

方法はいろいろあると思います。たとえば、

  • ドローンを使う
  • 台車のようなものを使う
  • 風船を飛ばして台車で引っぱる
  • 歩行ロボットを使う

などなどです。

ドローンを使う

「今すぐ実現」ということで考えれば、ドローンをその高さで飛ばしてFPVカメラを... で出来ますね。デモ用の体験であれば、これでも行けると思います。

とは言え、ドローンを街中で使うことは事実上不可能です。まぁ実家付近は田舎もいいところなのでそういった制限はないですが、人の目の高さであんなものが飛んでいるのは、あまり嬉しいことではありません。また、ドローンは航続時間が短いですから、すぐ使えなくなってしまいます。

そんなわけで、PoCのさらに前くらいであれば使えますが、実用には無理でしょう。

台車のようなものを使う

台車、特に雲台の下にあるドリーのようなものであれば、「飛ぶ」ということでの厄介はありません。そういった意味では実用になる可能性は大だと思います。

とは言え、そういったものはフットプリントが大きくないといけません。小さいと転んでしまいますからね。そうなるとやはり街中で使うには制限があります。まぁ実家(ry 直接邪魔にならなくても、デカい感じのものを使うのは大袈裟で嫌ですね。

実用性はあると思いますが、使える場所や状況に制約があると思います。サイズの問題が解消すれば、実現性は高いかも知れません。

風船を飛ばして台車で引っぱる

カメラを風船で受かべて、台車のようなもので引っぱります。これなら、デカいとか大袈裟という問題は解消するかも知れません。軽量のガス(ヘリウムとか水素とか)で「浮かべ」なくても、空気の圧力で形を作るような、

こんな奴にカメラをつけるとか、実現性は大だと思います。台車に固定してしまうと、倒れて転んだりしてしまいますが、固定させなければある程度は大丈夫じゃないかと思います。転びにくいとか復元力とかは、実用を考えるととても大事なことです。

「姿」もいろいろ作りやすいので、実用性高いと思います。あまり重いものが載せられないのが欠点ですが、今時のカメラは小さいですから、作り方次第でしょう。風船でなくてスプリングにしてみるとかもアリだろうと思います。

歩行ロボットを使う

人間サイズのロボットを作って、それにカメラをつけます。まぁわかりやすいですね。実は昨日まではこれが一番有力なアイディアだと思ってました。「ロボット頭」も実にこれを作るためのものとして考えていたものです。なので、ロボット頭の最初のエントリには、そういった意味のことを書いてます。

ロボットを「歩行」させるとエネルギーが必要な上に技術的ハードルも高いですが、歩く代わりに車輪にしてしまえば、そうでもありません。

では単純な倒立振子にしてしまうとどうかと言えば、前後に対する外乱はどうとでもなりますが、左右に対する外乱で転んでしまいます。

倒立振子を使った機器は実は既に存在していて、

こんなのがいろんな会社から出ています。「プレゼンスロボット」と呼ぶみたいです。実物を見たことがありますが、あくまでも室内用ですね。平坦な場所であれば、これで良いでしょう。でも屋外では使えそうにないです。室内でも、テーブルタップが転がっているとヤバそうです。

なので、二本足に車輪をつけたような

こんな感じのを考えていました。これだとまだフットプリントが大きいですけど。

いろいろ有力で汎用性も高いし... と思うのですが、技術的なハードルが高いのが難点です。ただ、「歩く」ということに拘る必要はないので、その辺はハードル低いですけど。

検討

今のところ、一番技術的ハードルも低くて実用性が高そうなのは、「台車に風船を載せる」ことじゃないかと思います。これなら遠からず実現できます。

実は自分のために使いたい用途があるので、技術的ハードルが低くて実現しやすいのは大事なポイントです。

歩行ロボットは面白いしいろいろ考えて来たのですが、「二本足ロボット」それ自体にはそれほど興味がなくて必要だから考えていただけなので、他で実用が出来そうであればやめるんじゃないかと思います。欲しいのは、「自分の代わりに徘徊して動画を送ってくれるリモコン雲台」であって、二本足ロボットではありませんからね。

おわりに

前に書いた「目玉親父」もそうですが、こういった「人間の補助をするもの」は現代の技術でも結構いろいろやれるものがありながら、案外手が回っていないものです。手が回らない理由も知らないではないので、この分野にいろいろアクションしても良いなと思ってます。私の代わりに手話通訳とかしてくれるといいんですけど。

「福祉機器」みたいなノリになると、急にお堅くなったりショボくなったりしてしまうのですが、先端技術の一つで面白い分野だと思ってます。

まぁアイディアの発端は福祉機器みたいなところですが、それ以外にも

  • 身代りロボット
  • 仮想旅行
  • 遠隔警備

といった応用も考えられるので、力の入れようもあるように思います。特に仮想旅行(バーチャルツアー)って、コロナで外出規制が厳しい頃旅行会社からいっぱいメール来てましたね。旅費と比べればロボットの送料はずっと安いですから、お手軽旅行として普及しても良いような気もします。

一々書いていませんが、このエントリ内のアイディアは全て「公知」ということでお願いします。

最近のエントリー

Hieronymusのインボイス番号対応について

会計システム「Hieronymus」の現状

OrangePi5にZabbixをインストールする

レビュー等の依頼について

オープンソースのノートアプリ「SiYuan」 - CasaOS AppStoreレビュー

お気に入りの色さがし1

創立記念日

現在の営業品目(2)

現在の営業品目(1)

SPDX License Listをデータ化した

Orange Pi5でC3TR-Adapterを試す

CasaOS上で会計システム「Hieronymus」を動かす

会計システム「Hieronymus」v1.0.0 リリースしました

CasaOSでファイル同期アプリSyncthingをセットアップする

第11回 Freshmeat

オープンソースノーコード「Activepieces」でワークフローを作る

RaspberryPiにパーソナルクラウドOS「CasaOS」を導入する

sequelize-cliでdb:migrateすると「SyntaxError: Unexpected token ':'」が出る

LED行燈の試作(2)

CMSの社内向けサービスのリニューアル