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試作品を作るときに考えていること(設計)」の続きです。今回は「試作品を作るときに考えていること(概要)」の製作について書きます。

製作手段はいろいろありますが、作業者による精度のばらつきを無くすためにも弊社では基本的にコンピュータ制御の工作機の使用を優先して設計します。

今回はCNC、レーザーカッター、3Dプリンタといった特定のコンピュータ制御工作機による製作手順ではなく、この3つの工作機共通で行う製作の流れをまとめます。

コンピュータ制御工作機で製作を行う流れ

CNC、レーザーカッター、3Dプリンタ、それぞれ加工のための作業の詳細な手順は異なりますが、動作原理が同じであるため加工の流れは大きく見れば同じです。

設計情報→モデリング加工機固有のパラメータ設定加工用ファイルの出力→加工

ここで言う「設計情報」は、前回のエントリー(「試作品を作るときに考えていること(設計)」)で決めた内容になります。

モデリング(加工形状のデータ作成)

モデリングでは設計工程で決められた形状やサイズ、穴加工、溝等をデータ化します。

モデリングのためのCADソフト

モデリングのためのCADは探すといろいろあります。個人利用はFreeでも、商用利用となるとライセンス料が発生するものが多いため、商用利用を考えている場合はライセンス体系も意識して選ばなければなりません。

FreeCAD
公式サイト
オープンソースであるCADソフトです。
商用でも、個人利用でも制限なく利用できます。弊社ではFreeCADを使っています。

Fusion360
公式サイト
こちらは書籍やネット上の情報も多く、初めて利用するハードルは低いのではないかと思います。
個人用途や趣味であれば無償限定版があります。スタートアップ企業向けの無償版もありますが、利用には条件があります。有償ソフトなだけあって、UIもきれいでかっこよいです。

各ソフトの使い方については、調べればいろいろ見つかると思います。Fusion 360だとYouTubeにもたくさん動画がありますし、有償の講座やスクールもあります。

加工機ごとのパラメータ設定

モデリングの次は加工機ごとに必要なパラメータを設定していきます。どんなツールでどいういうパラメータを設定するかは加工機によって様々です。

CNCを例にすると、FreeCAD内のPathツールを使って加工材料のサイズ、エンドミルの形状、回転速度と移動速度、加工ルート、一度に切削する深さ、加工順序などを指定します。

加工用ファイルの出力

加工パラメータやモデリングの情報をもとに、加工機を操作するソフトが要求するデータを生成します。
加工用のデータは購入した型番やメーカーにより様々で、所有する加工機にあったデータを用意する必要があります。
弊社の3Dプリンタだと、加工時に3Dプリンタの指定するソフトで出力したファイルが要求されます。

おわり

今回は特定の加工機に限定せず、製作の概要についてまとめました。

工作機を単に使えるようになるだけでなく、各作業は何のために行っているのかを理解しておくと、作業効率の改善を行ったり、多少のトラブルでも慌てにくくなるのではないかと思います。

つぎは、加工機ごとの具体的に加工するまでの流れをまとめます。

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